婚活中の人で、結婚したい相手に年齢制限をつける人はめずらしくない。
2010年にメディアマーケティング株式会社が「婚活にまつわるデータ~本より詳しいオトコのホンネ&婚活の実態」として調査データを公開している。
これは全国の「未婚男性・未婚女性・既婚女性」の婚活に対する本音の意見をまとめたものだ。(25~44歳未婚男性722名・20~39歳未婚女性688名・20~34歳既婚女性622名)
そのデータでは、男性の年齢別の結婚対象となる女性の年齢がまとめてある。
年齢の端数は繰り上げで一覧表にしてみた。
男性年齢 | 年齢下限 | 年齢上限 | 最大譲歩 |
---|---|---|---|
25歳 | 21歳 | 29歳 | 32歳 |
30歳 | 23歳 | 34歳 | 36歳 |
35歳 | 24歳 | 38歳 | 41歳 |
40歳 | 25歳 | 39歳 | 41歳 |
表を見ると、25歳~30歳の男性は、29~34歳を上限にして女性の年齢に条件をつける人が多いのがわかる。最大譲歩でも32~36歳だ。
自然妊娠ができる年齢は一般的に41歳までといわれていて、35歳以降は急速に妊娠がしづらくなっていく。
この数値は「女性の出産適齢期」を意識した人が多い結果だろう。
生涯を共にする相手を選ぶなら子供を産める年齢の人から選びたいと思う男性は多いのかもしれない。
では、出産適齢期の女性と結婚しても子供に恵まれなかった場合、その男性はどうするのだろうか。
子供が欲しい理由
結婚して子供が欲しい人は多いと思うが、そう思う理由は人それぞれだ。
- 結婚するほど好きだから相手との子供が欲しい
- 将来一人になりたくないから子供が欲しい
- 親に孫の顔を見せてあげたいから子供が欲しい
私は「結婚するほど好きだから子供が欲しい」と考えていたのだが、そうではない男性がいた。
彼は仕事関係の人で見た目がよく、仕事も真面目な人だった。
私は彼と仕事や趣味の話をしていくうちに、少しずつ異性として興味を持つようになった。
ふとした会話の中で、彼には離婚歴があることがわかった。離婚歴は最近さほど珍しいことではないが、離婚理由は少し気になってしまう。
ある日、話の流れで私は彼の離婚理由と女性に対する価値観を知ることになった。
子供が産めない体を隠して結婚した女性
彼はある女性と恋愛結婚をしたが、半年後に自分が子供を産めない体であることを告白された。
彼は「結婚前にそのことを言わないのは詐欺だ」と怒って、その女性とはすぐに離婚したそうだ。
その話を聞いた時に、子供が産めない体であることを知っていて隠していたのは悪いことだとは思ったが、私は女性の方に同情してしまった。
たぶん彼女は彼のことが本当に好きだったのだと思う。真実を言うと別れを告げられるのが怖かったから、結婚という賭けに出てしまったのだろう。
そして彼女は最終的に詐欺師呼ばわりされて捨てられてしまった。
私は彼に「健康な体なのに結婚相手が子供を産めなかったらどうするのか」と尋ねたら、「自分は長男だから産んでもらわないと困る。それなら離婚するしかない」と答えた。
「自分が子供を作れない体だったらどうするのか」と意地悪な質問をしてみたら彼は「学生時代に子供できて堕ろさせたことあるから俺は大丈夫」と平然と答えた。
この言葉を聞いて、彼に対する淡い恋心は氷点下まで一気に冷めてしまった。
彼にそんなつもりはないのかもしれないが、私には彼が女性を「子供を産む道具」としてしか見ていないように思えたのだ。
【追記】
少し誤解があったので追記。
私は彼と離婚した女性に同情はするが、嘘をついた以上離婚されてもしょうがないと思っている。嘘を肯定しているわけではない。
しかし、彼が「次に結婚した女性が健康でも子供が産めなければ離婚する」という選択をするのには疑問を感じた。
相手のことを好きならば「養子を迎える」という選択肢もあると思うからだ。つまり、結婚相手よりも自分の子孫を残すことを優先していると感じた。
それがいいか悪いかは家の問題なども絡んでくるので、白黒はっきりつけられるものではない。だが、結婚をする前に確認するべき重要な価値観の違いにはなると思う。
そのことについて以下の「子供が産めるという条件」を書いている。
子供が産めるという条件
結婚の条件にこだわるのは必要なことかもしれないが、その条件がなくなった時にどうするのかを考えたほうがいいと思う。
子供が産めないという理由で離婚するなら、それは大して相手を好きではないのだ。
子供が欲しいのに産めない女性はたくさんいる。それは年齢であったり、体質的なものであったり、病気であったり、タイミングであったりいろんな原因がある。
「健康な子供が産める」ということは当たり前のことではない。
私も4年間不妊に悩んだ末に自然妊娠ができない体ということがわかったので、子供が欲しいのにできない女性の気持ちがどんなに辛いものなのか今になって理解できる。
治療しても子供が産めなかった女性は、私が想像できないほど辛かったと思う。
あの彼が欲しがる子供とは一体なんなのだろうと考える時がある。
もし子供が障害を持って産まれたらどうするのだろう。健康体でも言うことを聞かなかったり、性格が合わなかったらどうするのだろう。
離婚した女性の時と同じように「自分が望む条件とは違った」と切り捨ててしまうのだろうか。
まとめ
子供が産める条件に限らず、年収で結婚相手を選ぶ女性も相手が失業したらどうするのか結婚前に考えたほうがいい。
条件なんていくらでも変わってしまう。
自分の希望の通りに全てが揃うわけではないのだ。
「長男だから子供が欲しい」という彼に捨てられた女性には、嘘をつかなくてもいい男性と幸せになっていてほしいと思う。
子供が将来自分の面倒を見てくれる補償なんてどこにもない。
子供が産まれなくても夫婦の仲は変わらないのが「生涯の相手を選ぶ」ということではないだろうか。